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製薬会社R&D部門における興味深い課題

大手製薬企業の研究開発部門(R&D)をうまく機能させることは、これまでもそして今後も簡単ではないでしょう。そこでは分野横断的に専門的な研究が行われていて、その際、非常に知的かつ好奇心旺盛で、場合によっては非常に要求が厳しい人々と共同作業することになります。

研究者が求めるプラットフォームの実現は、これまでも決して容易ではありませんでしたが、現在ではさらにIP(知的財産権)保護の改善という新たな喫緊の課題も出てきています。当然のことながら、研究者は自分が必要なものを見つけられなかった場合、他の場所(通常は会社のファイアウォールの向こう側)で探しはじめます。この結果「自分たちが何に取り組んでいるのか」が競合他社に簡単にばれやすくなってしまいます。

この問題は最近重要視されており、何らかの予算も付いているようです。ある程度の規模の製薬会社研究開発部門でITの意思決定に携わっている人であれば、この問題に関心があることでしょう。

興味深い課題

多くの研究開発組織では、研究開発のさまざまな業務を支える専用プラットフォームを実現しようとしています。これは一般公開されている社外文書(出版物、特許など)および社内文書(過去の臨床試験に関する文書など)といった貴重なリソースを扱うものです。

多くの場合、こういったマルチプラットフォームのアプローチは研究者にとっては複雑ですが、与えられたそういったものを使っているうちに慣れてしまいます。しかし今、新たな緊急の優先事項として、「外部に開かれているインターネット上の検索をできるだけ減らす」という課題が出てきました。

現在では、「検索トラフィックの発信元を嗅ぎ分けて意図を探ること」が非常に簡単です。私自身もマーケティング担当なので、これをしょっちゅうやっています。X社に勤めるYさんが、IPアドレスZを使って特定の話題について検索していることを知るのは難しくなく、その人が何に興味を持っているか簡単にわかります。企業のファイアウォールの内側ならもうちょっと大変ですが、それでも難しさはそんなに変わりません。

ご存知のように、検索プロバイダーはこの情報でお金を稼いでいるのです。

こういった状況において、研究開発部門では「できるだけ多くのデータをファイアウォールの内側に留めておく」ことで、検索のせいで外部に社内情報が漏洩しないようにするという目的が生まれています。この目的用の予算が別途組んである場合も多いようですが、その方が確かに良いでしょう。

これは目の前の問題を解決できるだけでなく、モダナイズしたり効果性を高めたりできるチャンスでもあります。統合された検索とディスカバリーは、単にナレッジを溜めているだけのものよりも優れていることは間違いありません。

これまでずっと使ってきているバックエンドのレガシーシステムは、当初は良かったかもしれませんが、今見ると極めて時代遅れだというのが正直なところでしょう。大量のこういったものを捨て去って、今ビジネスが必要としているものにリソースをまわすことが望ましいのです。これは、「アプリケーションモダナイゼーション」と呼べます。

これはある意味「Y2K問題」を思い起こさせます。つまり外部からの新しい脅威によって、遅かれ早かれ必要だったアプリケーション群のモダナイゼーションが強制的に実行されるのです。

課題を考える

まず一番わかりやすいものとして「将来的には、何らかの統一プラットフォームが欲しくなる」ということがあります。「バラバラなものを組み合わせて使う」というアプローチの結果、現在の問題が発生している訳なので、そういったやり方はやめておきたいところです。

このプラットフォームは、「あらゆるソースからデータを取り込み、誰もがすぐに使える」ものであるべきです。あらゆる辞書/オントロジー/モデルなどを、あらゆるデータに適用でき、またいつでも好きなときにそれができるべきです。研究者は、簡単かつ安全に自分の検索やディスカバリーを好きなようにモデリングできる必要があります。

同時に、セキュリティ、出自、監査、コンプライアンスなど、譲れないものもたくさんあります。つまりこういったものすべてを実現することが求められます。

適切なプラットフォームがあれば、こいった多くの問題をいっぺんに解決できるので、この取り組みの実現性が高まります。

どう実現するのか

ここで、上位10社に入る製薬会社の研究開発部門の例を使って説明していきましょう。会社によって細かい部分は違うでしょうが、どこも概要は同じだと思います。

驚くことではありませんが、この会社では医薬品候補の情報が6つの異なるリポジトリに入れられていました(おおよそパイプラインの段階に応じて整理されていました)。また、ここではデータ自体がそもそも複雑でした(XMLドキュメント、JSONドキュメント、それらを関係付けるRDFトリプルなど)。

また、状況によってデータの表現方法が異なっていました(コードや名称など)。これにより独自の意味の世界が複数できていました。こういった社内の状況だけでも研究者にとっては複雑でしたが、その後社外のソースを大量に取り込むという取り組みが始まりました。

この段階で、新しいプラットフォームの話が出てきました。

ここでMarkLogic社は、ここに医薬品研究開発に固有の「コンプレックスデータ統合問題」があることを取り上げ、他社での導入実績を紹介しました。MarkLogicはメタデータを軸としたエンジンに基づき、他のアプローチと異なる方法でこういった問題に対処します。

この会社の最初の目標は、研究者支援でした。これを実現するために、基盤システムに存在するものを抽象化・解釈するための「統一されたメタデータ層」を提供することにしました。これは、研究者が「これが重要かどうか(あるいは関係ないか)」を素早く判断してから、必要に応じてソースシステムにアクセスする仕組みです。

また、このプラットフォームは「システム・オブ・レコード」と「システム・オブ・アドバイス」の両方を実現するので、 時間の経過とともに、既存のレガシープラットフォームをこの新しいプラットフォームに完全に統合させて引退できます。その際、基となる意味関係を保持することも変更することもできます。

ここで重要なのがアジリティです。

私たちは、まず最初に、社内ソース1つと社外ソース1つを統合することで、このコンセプトを実装してみました。研究者たちはその結果が気に入り、他にもやりたいことをいろいろ考え始めました。それらに取り組んだらまたすぐに結果が出て、さらにたくさんの新しいアイデアが出てきました。

やりたいことがある他の研究者たちも登場してきました。この結果、参加者が増えました。「宣伝用のシステム」だったものがあっという間に「参加用のシステム」となったのです。これは、大きな変革でした。

このプラットフォームアプローチの利点は、さまざまな方法で定量化できます。例えば、知的財産流出の削減、研究者の生産性とエンゲージメントの改善、レガシーシステムのコスト削減、ナレッジワーカーの離職率抑制、新メンバーの学習期間の短縮など、いろいろな観点から確認できるのです。

最後に

私が昔学んだことして、「ピンチは素晴らしいチャンスとすべきで、無駄にしてはならない」ということがあります。命に関わることのない適切なピンチは、必要なところに変化をもたらすものであり、そのような変化はたいてい良いものなのです。ピンチは人々の気持ちおよびリソースも集中させます。

(ご案内)私たちは、バーゼルのビッグデータワールドコングレス(11月2~4日)に参加します。ご来場の際は、ぜひお立ち寄りください。「香港ルーム」でお待ちしております。

Chuck joined the MarkLogic team in 2021, coming from Oracle as SVP Portfolio Management. Prior to Oracle, he was at VMware working on virtual storage. Chuck came to VMware after almost 20 years at EMC, working in a variety of field, product, and alliance leadership roles.

Chuck lives in Vero Beach, Florida with his wife and three dogs. He enjoys discussing the big ideas that are shaping the IT industry.

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